不登校小学生のカーチャン奮闘記~悩まず、焦らず、落ち込まず、人生楽しんでる記録~

こどもの発達障害や不登校にまつわる思いや情報共有を中心に、仕事に趣味に、悩みに縛られない日々を楽しむ私を切り取っていきます。

無一文からスタート!健保組合の経理事務は疑似公務員体験?

f:id:opaopa807:20180403155248j:plain

 

さて、新年度ということもあり (?)、まじめに仕事をしていました。

健保組合も、年度はじめにバタバタとするのは経理の業務です。

  

健康保険組合経理のおはなし

 

基本的に、官公庁の経理と同じ仕組みです

 

健保組合は「公法人」っていう立場にあります。

この言葉、私はこの部署に来て初めて知った単語です。

 

「公法人」とは?

 

www.weblio.jp

特定の行政目的を遂行するために設立された法人。公庫・公共組合など。広義には国・地方公共団体も含む。

 

簡単にいえば、官公庁の業務に準ずる法人にあたります。

これにより、経理を含む事務を行うにあたって、普通の企業よりも厳格な既定の中で取り扱うように決められているのです。

 

健保組合は単式簿記を使っています

 

簿記を学習したことのある人は聞いたことがあると思います。

私も2級は持っているので聞いたことはありましたが、日商簿記で扱うのは普通の企業で使う複式簿記なので、単式簿記のことはとりあえず名前と概念と「どうやら公務員は使うらしい」ということだけ記憶して終わり。

「公務員になるわけでもなければ関係ないやー」

と思っておりました。

 

まさか後にこれが私の使う帳簿になろうとは・・・。

 

企業取引では取引が発生した日に記録をしますが、健保の会計は実際にお金が動いた日に記録をします。ある意味単純です。

資産の増減は同じ土俵に上げません。資産になるようなモノを買ったときに購入費用の支出として記帳して、そのあとは別の固定資産台帳で管理して減価償却をしていきます。

 

健保経理は予算がすべて

 

新年度が始まる前に議決機関で予算の承認をもらい、その後はその予算通りに経理事務を執行します。

企業の経理では決算業務が一年のヤマ場になりますが、健保組合は予算決定がヤマ場で、決算業務については地味なもんです。決算は予算通り事業を遂行したかの報告を粛々とするだけになります。

国会の予算委員会が(実際はあんまり予算のことを話しあってそうにないですが)中継までして大きく取り上げられるのに、決算報告の中継がないのはこのためです。

  

年度が変わるとゼロからスタート

 

各会計年度における経費は、その年度の歳入をもって、これを支弁しなければならない。(財政法第12条)

毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない。(財政法第42条)

 

 

つまり、今日(4/3)時点に金庫にあるお金も、通帳に書かれている銀行預金残高も、全て前年度の収入から得たお金なので、今日このお金で何か買い物をすることができません。

たとえば3月分の電話料金の支払いについては前年度の使用に対する支払要求なので支払えますが、今100均で文房具とか買うのはダメ、ということです。

健保組合の収入なんてほぼ保険料とほんの少しの国などからの補助金なので、4月の保険料が振り込まれるまで、我々は無一文です。

 

とはいえ、何か日銭が必要になったら「職員で立替えておきなさい」というわけにもいかないので、一応前年度の残金をある一定期間貸してもらうことは可能です。

また、積立金という過去にこつこつ貯めた貯蓄用の預金の資産もあるので、そこからも借りられます。絶対使わないぞ!と誓ったお年玉預金から、泣く泣く引き出すみたいなものですね。

 

ご覧のとおり、簿記のテキストなどにも書かれているように単式簿記の世界は家計簿やおこづかい帳のように単純」に見えますが、周囲が全て同じ会計方式で生活していない、むしろ複式簿記の世界がメインなので、ここのひずみの調整が面倒なわけです。

来月くらいまでは「これって前年度?今年度?」なんて考えながら記録する日々が続きます。

収入や支出の種類によって、その所属年度を考えなければなりません。

 

それもこれも、一定期間内の予定(予算)と実績(決算)との関係を明らかにするために必要なことなんですが。

 

でも、この経理事務やれてよかったことも

 

あの国会の予算委員会、公開してる割には特殊な世界で行われてるので、何の目的で何をやってるんだか自体よくわかっていなかったので、

「ああ、そういうことを議論してるところなのね」

と、公的会計の仕組み(=単式簿記って何よ)の根っこを理解するきっかけになったのはよかったです。

そのうえで、

「だったら他の話してないでちゃんと予算の話してよ」

と、さらに思うようになりましたが。