万丈のおかげで特オタが真面目に食物アレルギーと向き合ってみる
昨日は何故か特オタクラスタがかぶりついた『ザ!世界仰天ニュース』
その理由は、仮面ライダービルド出演の万丈龍我(仮面ライダークローズ)役の赤楚衛二さんがゲスト出演だったから。
昨日の特集はアレルギーでした。
以前から赤楚さんはインタビューの機会などでいちごやバナナのアレルギーだということを話していましたが、今回の番組にて
「全ての果物に対するアレルギー」
だということを公表しました。
番組ではその後アレルギー検査の結果を公開していましたが、食物についてはタンパク質項目以外は全て反応ありという結果が・・・!
これはアレルギーというものに普段あまり関心のない人から見ると驚愕の数値だったと思います。
というわけで、今回は健保組合関係者のはしくれとして、またこの後書きますが、子どもに食物アレルギーがあったため、その上での実感も交えて治療に関する専門領域には踏み込まない程度に(特に子どもの)食物アレルギーについてのことを書いてみようと思います。
参考資料はこちら
www.fukushihoken.metro.tokyo.jp
よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック
ぜん息予防と書かれていますが、他の反応にも充分対応しています。
ちなみにこの他、アレルギーやぜん息などに関する冊子は東京都福祉保健局から無料で入手できます。
アレルギーに関する固定観念から解放されよう
育て方や意識づけや訓練でどうにかなる問題ではない
我が家は3人子どもがいますが、次男に鶏卵のアレルギーがあり、4歳で解除になりました。
親の遺伝は要因になりえますが、たまに言われる
「おぼっちゃま(お嬢様)育ちだからアレルギーになっちゃう」
というような認識は絶対捨ててもらいたいです。
なにしろ3人育てて、最もおそるおそる育てられるであろう第一子ややたら可愛がられる末っ子の女子がアレルギーにならないのに、真ん中の子がアレルギーになっているのです。
我が身を持ってこの説が覆せます。
アレルギーはもって生まれた体質です。
成長してからの発症になるものもありますが、それももともと本人が持っていた体質です。
また、「気にしすぎ」と思うのも絶対にやめてください。
症状もそれぞれで違い、「食べるとちょっとブツブツが出る」「口の周りが痒くなる」程度から呼吸困難に至るまで様々です。
普段の反応が弱いからといって、気にしすぎと勝手に判断して周りが食べさせたときにいつも通りの反応だとは限らず、その時の体調やその前に他のアレルゲンの蓄積があって代謝しきってないなどの原因でアナフィラキシーに至る例もあるようです。
最近では「ちょっとずつ食べて治す」という治療法(経口免疫療法)の話題が知られるようになりました。
私自身、一般の小児科で次男の血液検査を受けたときにそういった家庭での対応をアドバイスをされましたが、勝手に家庭で実施できるものではありません。
小児科のお医者さんでもアレルギーの専門医でなければ理解に至ってない事例はたくさんあるとのことです。本当に気を付けてください。
経口免疫療法に熟知した専門医の指示のもとで慎重に実施してもアナフィラキシーになる例があり、かなり重篤な症状が出た例もあったとのことです。
牛乳アレルギーに対する急速経口免疫療法後の維持療法中に生じた重篤な有害事象 | 神奈川県立こども医療センター
神奈川県立こども医療センターは小児のアレルギー症例の取り扱いでは第一線ですので、信頼度がかなり高いと言われていますが、こういった事故はあります。
さらに、トンデモとも言われる根拠のない民間療法などにうっかり手を出さないというのは言うまでもありません。
血液検査の結果が絶対ではない
通常のアレルギー検査(アレルゲン特異的IgE等)では抗体濃度によって0~6のクラスで表示されます。ハザードレベル的なイメージです。
赤楚さんの結果では穀物類でクラス2~3程度、果物類でも一部を除きほぼ同等になっていたようですが、ご本人の自覚症状があったのは果物類だったようです。
撮影の合間にキャストやスタッフさんたちとラーメン食べ歩きをしてるくらいだから、小麦などには自覚症状がなかったのでしょうね。
というわけで、クラス2や3あたりだと症状は出たり出なかったりという状態です。
このクラスの結果が出た場合、必要以上に先手を打って完全除去するというより、反応を見て症状が出たときに医師に相談することを頭に入れておきましょう。
体調によって少し反応が出ることがあると思います。
ちなみに私自身も検査したことがありますが、花粉症として症状が出ているスギのクラス5以外はぺったんこという結果が出ました。
ですが、真菌類というところに属するカビに反応して梅雨時のエアコンの除湿モードで咳をしますし、たまに醤油に反応して唇が腫れます。
血液検査ではクラス0なんですよ。
そういうわけで、IgEの範囲外の反応もある(非IgE抗体)ので、アレルギーは奥が深すぎて素人では本当によくわからないというところが本質です。
アナフィラキシーには絶対に気を付けることが大事ですが、体調による弱い反応については上手く付き合っていくということも必要でしょう。
子どもの好き嫌いがアレルギーに繋がっているかも?
これは科学的証拠が発表されているわけではないことを先にお知らせしておいた上で。
上記に書いた次男、卵料理は晴れて食べられるようになりましたが、そのほかにも偏食が激しく、フルーツ類が苦手でほとんど食べません。
大人からすると子どもはフルーツ大好きみたいなイメージがあるのでなんで?と思うのですが、子どもにも必ずその食べ物が嫌いな理由というのがあります。
フルーツで考えられるのはすっぱいから、種っぽさがあるのが嫌、なども想定されますが、もしかしたら子どもの中でそのフルーツを食べたときの身体の違和感を敏感に感じつつもどう表現していいかわからず『嫌い』という言い方になっているかもしれない、ということも言われています。
フルーツに限らず、子どもが嫌がる食べ物を栄養のためだとか我慢を覚えるためだとか言って無理に食べさせるとこういった結果が隠れている可能性があると知ってほしいです。
仮面ライダークローズがアレルギー持ちだと公表した影響
国もアレルギー児へ対応についての啓発に努めた結果、学校や幼稚園・保育園では親からすれば少し過敏かも?と思えるような対応がされるようになりましたが、このくらいしないと根性論で乗り切ろうとする大人がいるからこその対応なのだと思います。
子ども関連の仕事に従事している人にはやっと浸透しつつあることも、それが無縁の世界の人たちはまだまだリテラシー不足でしょう。
下手したら赤楚さんの公表を受け
「アレルギー持ちなんて何か事故があったら面倒だ」
「使いづらいタレントなんじゃないのか」
「わがまま言うんじゃないのか」
のような意識を持たれるリスクは想定したかもしれません。
テレビ業界の決裁権のある層の年代なんて怪しいもんです(←偏見)
でも、アレルギーがあったって好きな仕事にトライできる、ヒーロー(・・・ヒロイン?)になれるということを、自分のアレルギーの影響で悲しい思い、辛い思いをしている幼い子どもたちに見せて、勇気づけてあげられるのは、『万丈龍我』だからこそできるんじゃないかな!と思いました。
ビルド本番中みんながオレンジジュースで乾杯する中ひとり麦茶だったり、桐生戦兎にバナナやるからとなだめられたりと危ういシーンも思い返せば色々ありましたが、赤楚さん1年間お疲れ様でした。
これからもそんな体質と上手に向き合いながら、アナフィラキシーには充分気を付けて、今以上にバッキバキに活躍してほしいです!
3,000字越えた。熱入りすぎ。