不登校小学生のカーチャン奮闘記~悩まず、焦らず、落ち込まず、人生楽しんでる記録~

こどもの発達障害や不登校にまつわる思いや情報共有を中心に、仕事に趣味に、悩みに縛られない日々を楽しむ私を切り取っていきます。

経産省と厚労省のベストマッチ事業『健康スコアリングレポート』って何?

※注:ベストマッチは私が言いました・・・サーセン

 

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先日健保組合宛に『健康スコアリングレポート』が届きました。

健保組合加入の各企業にも経営者にリーダーシップの発揮を要請する手紙が添えられて届いています。

 

企業の健康経営に関する現状の『通信簿』

 

うちに来た実物は出せないので参考までに・・・

 

健康スコアリングレポート様式(日本健康会議)※PDFが開きます

http://kenkokaigi.jp/news/n_pdf/pdf_180530_sheet1.pdf

 

これまで企業は、労働安全衛生法での必須項目に関する健診結果が手元にあればよく、安全衛生部門や人事労務部門の担当者が、健保組合が独自作成するデータの分析結果の説明を受けていればかなりいい方という状況でした。

 

経営者が直接こういった資料を目にすることはほとんどありませんし、正直興味もないといった場合が多いと思います。

 

健康スコアリングレポートのデータの母数は健保組合加入者全体ですが、今回の発信が健保組合を管轄する厚生労働省だけでなく経済産業省も連名で経営者宛に発信するという方法を採っているため、これまでよりは直接会社の現状を把握してもらえます。

経営者層は数字でモノを見る人も多いので、漠然と社員の健康が大切!と伝えるより、この悪い数字が後にどんな影響を与えるかということが改善を促すきっかけになることも多いようです。

さらにいえば経産省も絡んでいますよという告知は充分な(悪く言えば)脅し文句になるとは思います。

 

データの構成について

健保組合の持つのは加入者のレセプト(≒医療費)データと、40歳以上に義務付けられた特定健康診査と特定保健指導のデータです。

これらのデータは以前から暗号化されて定期的に国へ送られていました。

今回のレポートはその蓄積データを利用して、2016年度の健保加入者が全組合または同業種の組合と比較しての健康状態を示したものです。

 

少し勘違いされている意見なども見かけますが、個人を特定できるような情報は経営者に届きません。

一事業所単位でのデータでさえありません。

あくまで健保組合加入者全体が母数なので、大まかな傾向として示されたデータです。

 

 

どの健康状態についてのデータが届いているのか

 

おおむね生活習慣病に関連する項目です。

健康状況5項目(肥満、血圧、血糖、脂質、肝機能)と生活習慣5項目(喫煙、運動、食事、飲酒、睡眠)についてのスコアが示されています。

使用データでは特定健診(問診含む)のものが多くを占めていて、レセプトデータの内容をベースにした分析(がんの罹患率だとか、メンタル項目など)は示されていません。

 

 

どのように利用されていくのか

健保組合と企業の健康管理部門担当者が協働で経営者に現状を把握してもらい、ここから企業ごとの施策を考えていくきっかけとします。

たとえば睡眠状況が平均以下と評価されていたら、労働環境を改善しなければならない、と考えるように促します。

食事に関する項目の評価が低ければ、社員食堂のメニュー改善、そもそもそういう環境がない場合の設備投資などに繋がるようにします。

 

どのような施策を取るかは企業担当者と健保での協働で取り組み、その中で外注したり、健康経営アドバイザー資格取得者の活用などをしていきます。

 

 

個人的に考える問題点

まず、良くも悪くもこのレポートは健保組合単位の大雑把な分析結果です。

 

地域的に散在している業種ごとの総合健保組合や、様々な業態を扱うグループ企業の場合

「で、うちはどうなの?」

ということになるでしょう。

というか、ほとんどそうだと思います。

結局は、このレポートを話し合いのきっかけにして、他のツールを使って各事業所ごとの分析をしてみないと経営者の心が掴めないかもしれません。

 

 

うちの健保は加入者が少ないのでデータ分散が・・・

これはうちのような小規模健保のレアケースなのですが、そういう母数が少ない集団が巨大集団と同じような統計を取るには補正が必要ですが、そこまではされていないようです。そういう意味でもこれは大雑把な分析結果です。

 

2016年度の特定保健指導実施率はなんと0だったのですが(当然レポート上は叱られてます)、実情はその年度は該当リスト取得が年度末ギリギリだったうえに該当者が少なく、日程調整をしていたら年度を越えてしまった・・・というものです。

 

加入者の多い健保組合では特定保健指導なんて毎月のように新しいリストが届き実施されているので、それが途切れるなんて考えたこともないでしょう。

ところが全体数が少なければそれもあるのです。また、若い加入者が多い業態の健保組合も、39歳以下の健診結果はデータの範囲ではないので、特定健診や特定保健指導をキーにしたデータを持ってこられても企業の実情と噛み合わないと思われます。

 

 

まあ、このレポートも今回が初回です。

これから受け取った側のフィードバックがあって課題も見えてくるでしょう。

動かないよりはよっぽどマシです。

今後に期待していきたいと思います。

 

先日の健康経営会議2018で登壇された辻一郎氏の著書です。

日本型の健康経営について研究された一冊です。