不登校小学生のカーチャン奮闘記~悩まず、焦らず、落ち込まず、人生楽しんでる記録~

こどもの発達障害や不登校にまつわる思いや情報共有を中心に、仕事に趣味に、悩みに縛られない日々を楽しむ私を切り取っていきます。

一瞬のうちに虐待親認定されそうになった日

こんな記事がアップされたまさにその日にわが身に降りかかった案件

 

児童虐待の通告、過去最多3万7千人 今年上半期:朝日新聞デジタル

digital.asahi.com

 

身バレ?

もう長男の件でバレそうなこと既に書いてるから知らん。

 

2歳の末っ子は通常機嫌よく保育園に行くのですが、たまたまこの日は保育園を行き渋り、保育園の前までくるとベビーカーに乗ったまま駄々をこねて近づくと殴る蹴るの暴行を加えてきました。(酷)

というわけでこちらもだんだん語気が強くなっていくのですが、生暖かくスルーしてくださったお母さんたち(ありがとうございます)が行き交う中、あるお父さんが

 

「おい朝から保育園の前でうるせえんだよ!警察に通報するぞ、虐待ならよそでやれよ!」

 

と言ってきました。

マジです。

虐待ならよそでやれ、と言いました。

(実際暴行を受けているのは親なのですが)

 

でも、字面だけ見るとこれ、

 

親が子供に対して心理的虐待していると疑われる案件を善意の第三者が警察に通報しようとする

 

という、先日あった児童虐待死事件から発生した世論によって完全に正しい行動とされたものなのです。

 

「虐待だと思ったらすぐ通報」の影響

 

この呼びかけは事件を機に広く世に伝わりました。

これは今にもあの事件同様悲惨な環境にいる子どもを救うためには必要なものでしょう。

で、189『児童相談所全国ダイヤル』などが告知されたのですが、これを思い出すより先に世間一般に知られた110番も通報先として推奨、しかも匿名でOKとされたわけですから、迷わずこちらに電話をする人が多いでしょう。

今回の記事のデータも、だからこそ「警察から児相への通告数」が急増したのでしょう。

 

実際私が110番を呼ばれた場合、私のところに来るのは児相の人ではなく警察官です。

即座に「通報されて職質された人」の出来上がりです。

「その後どうなりました?」と聞いてくれた方などには説明できますが、ちらっと警察との職質を見かけただけの人にはほぼ前科者と同じような印象になる可能性も否定できません。

変なウワサが広まりやすい地域だったら、地域的な孤立だってしかねません。引っ越さないとやっていけないような地域だってあるのでは?

 

気になったので色々検索してみたところ、社会活動家の湯浅誠さんが189通報について記事を書かれていました。

 

児童虐待 はじめての189通報とその後に起こること(湯浅誠) - 個人 - Yahoo!ニュース

news.yahoo.co.jp

 

こちらの記事では近隣・知人からの通報は全体の2割程度とインタビューに回答した児相の所長さんのお話です。

通常の場合は、近隣の人は通報に躊躇するであろうということが記事にも書かれています。

 

でも今回のことで思い知らされたのが、

「通報するぞという脅しが使える」

ことです。

実際通報するのはためらうけれど、そう言って相手を脅して自分の言い分を通すという方法ならあるということです。

先程の湯浅さんの記事には

 

ただやはり、近隣にもう少しつながりがあれば、という思いもあります。

 

隣の顔が見れていれば、もしかしたら「お母さんも大変だね」になったかもしれないことも、顔が見えていないと悪い方向に考えてしまうこともあります。

 

これは正当に抑止の声掛けですが、今回のケースは違う、と今でもはっきりそういう印象に思います。

 

私は幸い旦那があとから来たり、意外と大騒ぎして周りを巻き込んでいく外向きタイプなので、即座に保育園の入り口に行って園長先生に助けてくださいと言ったり周りのお母さんに「ご迷惑おかけしてます・・・」などと拡散するので、単独で脅しづらい布陣を敷きました。

あちらも勢いに乗ってくれてなんと園長先生に

「あのオンナが!迷惑なんだよ!」

と、全く冷静さに欠けた言い方で園長先生に詰め寄ったりして、「通報されるならアンタだよ」という状態に勝手になってくれました。

あれ完全に私がどこかに逃げたり隠れたりして一対一になったらどうなるかわかりません。

勢いが全部こちらに向かってくるわけですから、怖いですよね。

 

虐待を指摘する人間全員が子どもの人権を考えているわけではない可能性

 

「警察呼んでくださいよ、事情説明しますから」と言ったら、色々捨て台詞を吐いて逃げて行きました。

 その捨て台詞の中には

 

「迷惑だから家で虐待やれよ、家でなら問題ないんじゃないの!」

 

と、結構地雷な言葉が入っていました。

 

実は子どもを叱る親に直接アプローチしてくる人間の中には、一定数こういう人がいるだろうと私は思っています。

 

「家でやれよ」

 

要するに、自分が見えるところでゴタゴタしているのが嫌なだけです。

子どもの安全や人権を考えているわけではないのがハッキリ言葉に出てしまっています。

この一言で救うべき子どもがさらに奥深い密室に閉じ込められていくのではないですか?

 

子どもが心配だから通報する人と、自分がうるさくて迷惑だと思っているから排除するために通報する人。

今後この違いを、警察は「勘」で見きわめてくれるのでしょうか?

それともこういうのを通報者の声色などからAIで判断するようになるのでしょうか?

 

対策は今のところ「気にしない」くらいしかない

以前この記事を見て感受性の強い子(長男のこと)を持つ母としての無力感を感じたのをまた思い出しました。

 

虐待していないのに通報されたら、「気にしない」 | 伊藤徳馬の どならない子育て | 日経DUAL

dual.nikkei.co.jp

 

普段から「うるせえな」と思われていそうなうちの親子など、完全に嫌がらせみたいな通報のリスクでさえ増えるのではないかなと思います。

だって、本当の虐待を疑ってるんじゃなくて、「うるさいから通報してやれ」なら躊躇なんてしませんよね。

 

「不登校の子どもを親が学校行かせようとしていない」

ことだって、立派なネグレクト案件になるかもしれません。

子どもが学校に行っているはずの時間にコンビニなどに立ち寄っていたらそう通報されるかもしれません。

今の長男は別室登校しているのでそういうこともないですが、きっと学校側もそういうケースを心配してなんとか少しでも学校と子どもと保護者に接点があるという事実を作ってくれるために努力してくれているのだろうなと思いました。

 

それにもしかしたら

 「あの女エレベーターで俺が乗ろうとしてるのに閉めやがった、よし通報してやれ」

みたいなケースだってあるかもしれません。

匿名OKなら誰かを虐待加害者として仕立て上げることだって可能です。

だって、「虐待全くしてません!」って言える人ってどのくらいいるかわかりません。

もしほんの少しでも「かわいそうなこと言ったな」(これも主観)という記憶があれば、虐待でしたって認めてしまうことになるでしょう。摘発1件です。

 

それら全て気にしないで済ますとしたら、ほんとどんなメンタルで子育てするんだよ。ダイヤモンド硬度の悪魔将軍かよ。

子どもを持つと世間みんなから品行方正具合を監視されてリスク増えるぞ、と思ったらさらに子どもなんか生みたくなくなるかもしれません。

 

これもちょっと前の古市憲寿さんのコラムなのですが、

 

「お母さん」を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない【古市憲寿/保育園義務教育化・4】 — 保育園義務教育化4 | Hanako ママ web

 

hanakomama.jp

こちらを思い出しました。

なんだか第二次大戦中の隣組みたいですね。

 

実はこういうことにAIが使われるようになったりして。

日常的な虐待があるかないかは、AIスピーカーが常に拾っている音声で確認できるとかね。

逆に、日常的虐待がない証拠の立証をAIスピーカーがしてくれるようになるかも。

よかった、うちアレクサもグーグルホームもいて。備えあれば憂いなし。(違うか)