「おいしい減塩」で、知らず知らずに高血圧を予防してみようという話
健保組合として取り組む高血圧対策を学ぶ
先日、『健康教育講座』として、高血圧対策のテーマでの講習会がありました。
講師は東京女子医大主任教授でもあり日本高血圧学会理事の市原淳弘医師でした。
高血圧というと、診断されてしまったら即投薬が始まり、ずっと飲み続けないと死んでしまう、というイメージがあり、そのせいで健診で指摘を受けても病院を受診しないケースが推定罹患率の半数はいるそうです。
ちなみに、未受診者含め推定される高血圧者数はなんと約4,300万人!
それに対して市原先生のような高血圧の専門医は約700人だそうです・・・。
で、どのようなことが起こっているかというと、専門外の主治医が高血圧を診断すると、既存のスタンダードな処置としてそれしか判断できずに投薬をしているケースがしばしばあるとのこと。
専門医から言わせると、投薬しなくても適切な検査をしたうえで手術をすれば降圧するケースもあるのにそれをせずに漫然と投薬をしている症例もあるので、投薬のまえにそれを疑う必要もあるのだそうです。
ちなみに当然ながら全て保険医療です。
免許持ちのプロでも専門外なら知らないって言われてしまうと、免許ってなんだよって思うところもありますが、受診する側もニセ医療は避けつつ、保険適用内で「こういう治療があるのか、ではそれを受けられる病院はどこだろう」と専門医に繋がる手段や、身近な病院でもそれを受け入れてくれるところを探す努力はしておきたいですよね。
もちろん重度になってしまうとその気力もなくなるでしょうから、そのバイタリティがあるうちに早めに動いておけるといいなと思います。
健保でコントロールできるのは、こういった選択肢に繋がる情報、そして予防や生活習慣改善で治療の手助けになるような情報を提供することです。
とはいえ、単に減塩しましょう、運動しましょうといっても、なかなか取り組めないものです。
そこで、普段意識しなくても取り組めそうなハードルの低い生活習慣改善策も情報を得てきました。
日本高血圧学会主催『減塩食品アワード』の受賞食品から知る「おいしい減塩」
第4回減塩アワード 味の素など6社7商品を表彰 - 食品新聞社
受賞食品を調べると、「いつもの食生活のままでいつのまにか減塩できる商品」を知ることができます。
まあ、本当なら「食品メーカーは標準商品を減塩にしなさいよ」という指摘もしたくなります。
これがベストな対応ではないかもしれませんが、低めのハードルとしてはこの中からこれまでの食事に代替できるものを見つけて生活改善をスタートするのは、第一歩としてとてもいいことだと思います。
市原先生は
「国が企業に対して減塩商品を積極的に出さないと課税するという措置をしてくれれば国全体の血圧コントロールにつながるのに」
とおっしゃっていました。
高血圧は放っておくと脳卒中や心疾患だけでなく、認知症にもつながるとのこと。
ここは国を挙げて積極的にコントロールして(コントロールしないほうのメリットってないですよね・・・)、個人の健康だけでなく国全体としても社会保障費の削減につなげていければなあと考えさせられる一日になりました。