うちの子が生き辛そうなのは、「ひといちばい敏感だから」と思えばいいという本のレビュー
ブックレビューです。
今回は「ひといちばい敏感な子(エレイン・N・アーロン)」を紹介します。
最近は他愛のない話なら普通に話せるし、学校に関する話題でも責めるような言い方さえしなければある程度話せるようになった長男。
でも、彼には「今を楽しんでいる、未来を楽しみにしている」様子はまだありません。
不登校対応以前に、まずは長男が「世の中そのものを生き辛く感じている」ような気がすると知人に相談したところ、こちらの本を薦められました
「ひといちばい敏感な子」の特徴
著者自身の子育ての経験などから、子供のもつ気質の中に「ひといちばい敏感な気質(HSC)」の子が一定数存在する、と語っています。
この「一定数」は著者曰く5人に1人程度、かなり高い確率でいるとのこと。
その多くが「脳の障害(=自閉症・ADHD)」と誤診されていると訴えています。
治療対象ではなく気質なのだから、投薬に頼るのではなく、個性の尊重で対応する必要のある子たちなのです。
そういった子は五感の一部や全てが敏感で、「やたらとまぶしがる」「ちょっとした音がうるさく感じる」などの感覚過敏を持っていたり、また他人の本心を敏感に感じ取りやすく、必死に気を遣ったり恐れたりするために、そういった気質のない子よりも集団でいることが苦痛になったりします。
つまり、個人のペースが無視された授業、がちゃがちゃ飛び交う指示、容赦ない雑談の声、感覚的全く合わないものでも残さず食べましょうと言われる給食・・・学校生活は彼らにとって地獄のような場所だということになります。
もしうちの子がHSCだったら、どうしたらいいの?
この本は、そういう子どもたにとって本当に必要なケアが何かを示してくれます。
同様の論旨の本は多いですが、言いっぱなしの本が多い中、著者は
親が同じ気質がある場合とない場合、また母親と父親別
年代別(赤ちゃん期、幼児期、学童期、思春期)
それぞれ、具体的な対応策を示してくれています。
でもどの時期であっても、どんな気質の親であっても、
「子どもとじっくり向き合うこと」
「子どもの気質を理解すること」
「子どもに『それはあなたの気質なんだよ』と伝え、一緒に考えていくこと」
これらが必要だというのは共通しています。
周りの人の理解も求めながら、子ども本人もこの社会で折れずに生きていくためのサポートも教えてくれています。
「HSCの子育ては、最高に幸せな挑戦」
著者はこのように言います。
「子どもとじっくり向き合う」「子どもを理解する」ことって、親子の愛情を育むには最も贅沢で幸せなプロセスだと思います。
それはすべての子どもたちにそれが与えられるのが当然ですが、HSCの子育ては大変な分、そこに深い絆が生まれるというのです。
それは一瞬、
「根性論」
とか
「あたしおかあさんだから」
とか、ネガティブワードにも襲われる展開でもありますが。
なので、自分の我慢とかそういうのはさておき、敏感で臆病な子どもの気質をわかってあげて、
「そりゃ学校なんて場所行きたくないよね」
と思ってあげられるだけでも全然違った接し方ができるので、まずはそれを喜ばしく思えばいいんじゃないかなあと思いました。
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ひといちばい敏感な子 子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、さま [ エレーン・N.アーロン ]
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