調査結果と名のつくものが全てエビデンスではないという超カンタンな事例
9/18の読売新聞のコラムに
『小学生「痩せ傾向」が37% 母親が「料理苦手」家庭で多く』
というものが掲載されていて、ツイッターの子育てユーザーの中でプチ炎上していました。
記事そのものについてはツイッターに掲載されている写真のみで実物が手元にないのですが、元になっている記事を見つけることはできました。
子どもの約4割がやせ傾向親の“食に関する知識の差”が子どもの体形に影響!?「葉物・レンチン・切るだけ」のトリプル野菜+お肉の食事を | お肉ステーション | エバラ食品
読売新聞の記事は肥満については全く問題として触れられておらず、そのうえで急に野菜不足に話が飛び、
「食への知識や調理経験の不足を感じている親御さんには、少しずつでいいので、子どもの成長に必要な栄養知識や、効率よく栄養がとれる調理法などを身につけてもらいたいですね」
という管理栄養士さんのコメントにつなげているので、さらにしょーもない記事に成り下がっているのですが、元記事のままでも結局炎上に繋がりそうな気はします。
では、この記事の何がマズイか
そもそもインターネット調査の回答ベースの数値がエビデンスに入るわけがありません。
まず子どもの体重について「やせ傾向」「肥満傾向」と回答している時点で、子どもの体格に何かしらの心配をしているお母さんが多いと思われます。
そんなお母さんは多かれ少なかれ「自分の料理の問題かな?」と責任を感じたりしています。
そこに
「基礎調味料はうまく使えてますか」
「レパートリー多いですか」
「料理は得意ですか」
って聞かれてもポジティブ回答できるとはとても思えません。
ましてや、
「料理のレパートリーが少ない」と感じている人は、やせ傾向の子どもを持つ親で1.5倍以上、肥満傾向の子どもを持つ親で2倍以上も多いことがわかりました。
って、あまり食べない子の親は
「子どもが好きといえるものを出せない、辛い」
と思ってるし、
食べることが大好きすぎる子の親は
「もっともっとって言われてもそんなに毎日色々思いつかない、辛い」
と思っているから、それが総じて
『レパートリーが少ない』
になっているだけです。
メーカー主体の調査は宣伝のために結論ありきで内容を作り、結果を提示しているにすぎない
こういったものは何かの研究結果ではなく、広告宣伝費を使ったマーケティングです。
もちろん外部の調査会社が仲介していることありもますが、企画段階から集計の取り方まで販促に使いやすいように組み立てられています。(元調査会社勤務経験より談)
この調査の場合は記事を見ればかなりわかりやすい方で、
焼肉のたれを使って野菜も肉もたくさん食べてください
ということにつきます。
それが読み取れたら余計に
「商品の販促のために料理頑張ってるお母さんの精神踏みにじるのって酷くない?」
となるのですが・・・。
新聞記事の方はその販促らしささえ隠し、まるで
「母親の無知のせいで子どもの健康が失われています!」
という社会問題のように書きたてているところがさらに罪深いです。
もしかしたらコラムのような顔をして広告費が出ているのかもしれませんが、その場合は【広告】と明記しなければならないのですがこの記事にはそれが見当たらず、そうだとしたら違反行為、そうでないとしたら宣伝用の調査結果を利用してあたかも社会問題のように扱うことは新聞記者としての腕のなさを暴露しているようなものです。残念。
その他このサイトで見つけたもの
参考
2015年に国際がん研究組織(IARC)を発表したプレスリリースで赤身肉・加工肉の発がんリスクが言及されたことをきっかけに日本でもこれらへの関心が広まり、それと同時に『エビデンス』という言葉を使った健康本の発売が続きました。
赤身肉のリスクを取り上げた本で大きく話題になったのがこちら
これの発売日が4/13(私もこれ読みました)。
発売日から既にAmazonベストセラーになっている人気ぶりでした。
そして、
エバラがお肉トレンドを大調査!今年もお肉界をけん引するのは・・やっぱり“●●”肉! | お肉ステーション | エバラ食品
この記事の掲載日が4/16。
露骨(笑)
焦ったんでしょうねー。
まあこんな感じで因果関係を探っていくと、ディスられているという怒りより、こういったメディア記事の作られる仕組みが見えて逆に楽しくなってきます。
これはかなり単純なな方なので、こうなってくるともっと闇が深いやつを見つけたくなりますね。(笑)
ほぼ基礎調味料ベースで美味しい料理を目指すなら、レシピ検索よりロジカルクッキングのほうがブレがなくてオススメです。
妊婦加算炎上騒動について、健保組合職員としての考察
妊婦加算が炎上した件について
30年度の診療報酬改定の説明を受けた記事がこちら。
今となってははっきり説明されたかどうかも記憶にもない妊婦加算がまさか炎上するとは・・・。
自身がすでに妊婦になる可能性がほぼ皆無だからかもしれません。
ああ残念・・・。
説明会資料を遡ってみたら、当然ながら一応レジュメにはありました。(そりゃそうだ)
名目は
妊婦の外来診療について、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療を評価する観点から、初診料等において、妊婦に対して診療を行った場合に算定する妊婦加算を新設する。
(説明会資料より抜粋)
だそうです。
【妊婦加算】
初診料 75点/時間外 200点/休日 365点/深夜 695点
再診料 38点/時間外 135点/休日 260点/深夜 590点
自己負担金額を知りたいときは、この点数に3をかけると計算が早いです。
かかりつけの内科に風邪で行く程度なら+225円の自己負担増なので、大きな負担増というほどでもありません。
時間外以降の加算は大きいですが、診療時間外に来院すること自体ハイリスクな原因があるはずなので、このあたりも妥当だと思います。
確かに妊娠中の場合、通常の患者さんとは判断や処置が変わることもあります。
使用できる薬品が違うこともありますし、レントゲンを撮影すれば診断しやすい場合も妊娠中の場合はそれを避けて診断する必要もあります。
今までそういったリスク配慮をサービス(マックでいえばスマイル)として提供していた部分を、今回は点数として評価しようというものです。
逆にいえば、これまでは逆にサービス程度の配慮しかされていなかったということになります。
私は3回目の妊娠中、風邪で喉の炎症が治らずアレルギー様の軽い咳が続いていたのですが、インフルエンザの流行時期だったため内科に行くのを避けていました。
でもその結果腹部を圧迫して早産になってしまいました。
妊婦加算が適用されれば、妊娠中の患者さんに別の待合室を提供する診療所が増えることも期待されます。
って、事前に産院にでも貼って提示しておけばいいものを
確かに今回の改定の内容が多く、これは目玉事項ではなかったので保険者にも説明が強調されていませんでしたが(わざとだったりして)、せめて診療を受ける当事者には理解されるように周知の仕方を考えるべきだったのではないかと思います。
初診の問診票の
妊娠中ですか? YES ・ NO
のYESにマルをつけることでどのような配慮を受けるのか、それ自体が理解されていないから、単に妊婦税だ!などと言われ炎上することになるのです。
結局、この改定を決定した側は、サービスを受ける側の顔を見ているようでちゃんと見ていないんですね、多分。
受けるサービスの情報はには興味を持とう
とはいえ、これは公的医療保険制度のサービスを受ける側が通常時この制度に全く興味がないことのあらわれでもあるのです。
健康な人がちょっとした風邪程度で関心を持つのも難しいですが、妊娠を考えた時や健診の結果をもらった時などをきっかけに、自分の支払う医療費ってどういう仕組みになっているのかな?と興味を持って調べてみてもらえればいいなと思います。
診療報酬改定は2年に1回あります。
私自身も今後は目玉改定だけ注目することなく、注意深く確認して皆さんに情報提供していきたいと思います。
親が子どもの選択肢をあえて減らすのは必要な試練かはたまた嫌がらせか
先日、不登校児親の会のイベントに参加してきました。
2か月に1回の会ですが、何かと予定が入ってしまい久々の参加になりました。
ここ最近長男自体が安定しているという理由でこの傾聴会を最優先項目にしてこなかったことにもなるのですが・・・。
私は不登校の子ども本人の思考に近いらしい
私が長男本人との関係でなく周りの大人と戦っている様子を、リーダーさんはそのように指摘し、混乱していると言いました。
とにかくまずは、問題をリストアップして優先順位をつけるようにと。
確かに私はウィッシュリストがとてつもなく多いです。
アマゾンのウィッシュリストも大変なことになっていますが、脳内のウィッシュリストも膨大だしそして何かと抜け落ちます(笑)
子どもの行事や持ち物について絶対必要なToDoだけはやっていますが、それだけではなく、優先順位をつけるためのアウトプットはした方がいいかもしれませんね。
で、現在のシステムでは必要となってしまっている私の母親が、どうしても長男を学校に行くように追い詰める問題について、
「捨てればいい」
と言い切られました。
ここからが難しい問題なのです。
既存の学校システムを信奉している部分(もう団塊あたりの高齢者は仕方ないかもしれません)以外は何かと協力してくれている実家を切り捨てることによって同時に学校の協力の条件を捨てることになります。
そしてそれは長男に
「大人は大人の都合で急に裏切る」
ということを提示することになります。
このリーダーさんのおっしゃる内容を私の解釈でまとめると
- 既存の学校システムに乗っかる必要はない
- 家で母親が子供に全てを捧げて見守ればいい
- でも導くわけではなく見守る
- この世の理不尽さや苦痛を子ども自身の力で体験させて成長するのを見守る
これ、実はかなり難しいです。
まずは経済的にです。
確かに無駄に教育費に投資する必要はないかもしれませんが、子どもが自分でやりたいと言ったことさえ体験させてあげるができるかどうかを、父親一人の経済力で何とかできるかどうか、全ての不登校児家庭が実現できるとは限りません。
さらにうちの場合は子どもが3人います。私が全ての時間を子どものためだけに使うようになったら、習い事どころかインフラ費用と食いつなぐことに必死のような状態になるかもしれません。
さらに、母親が子どものために何かを捨てたと知った時の子どもはどういう気持ちになるかも気になります。
どうにもならない止むなしの原因(転勤やリストラなど)なら子どもにも伝わるのではないでしょうか。
でも試行錯誤をせずに優先順位のせいにして切り捨ててしまい、それさえも成長の試練だというのなら、あまりにも責任を子ども自身に押し付けすぎのような気もします。
平均的な不登校の子どもの年齢が中学生以上だから、アプローチの仕方が違うのでしょうか。
子ども自身が選んだ道でつまづくなら見守りますが、大人の都合で振り回しておいてこれも試練だというのは学校の理不尽さとあまり変わらない、家族が元凶なだけにもっとタチが悪いと思うのは私だけでしょうか。
私自身はそんな感じで試行錯誤中ですが、おかげさまで長男はフル登校まではしていないものの、運動会や1泊の移動教室にも意欲が湧いています。
本当に参加するかはわかりませんが、やる気があるならその準備はサポートしていきたいと思います。
ここ最近、自分自身でも心理やカウンセリングの勉強をして、不登校が始まったばかりのご家庭や長い間もやもやされているご家庭の親御さんのピアサポートをしていきたいと思っています。
そういったサポート活動は増えています。暗中模索中の方も、ご自分に合った話し相手を見つけて話を聞いてもらうことは癒しになったりエネルギーチャージになったりします。
現在迷われている方も、積極的にそんな居場所を探してみてくださいね。
お子さんの不登校について悩みを聞きます 身近な人にうちあけられないお母さん向けのピアサポート|愚痴聞き・話し相手 | ココナラ
医療と介護は注目分野だと言われつつもまだ供給過小という実感
今日まで開催の『メディカルジャパン東京』(開催地:幕張メッセ)という展示会に行ってきました。
べ、別に仮面ライダービルドの伝説(?)のラストシーンロケ地巡礼のついでに行ったわけじゃないぞ!!
- 医療と介護の総合展 [メディカル ジャパン] 東京 | リード エグジビション ジャパン
医療・介護分野は今後注目される分野であることから初開催に至ったようで、自治体関係者や介護事業者など様々な来場者がいたようです。
でも実は出展者集めにかなり苦労した様子も見られ、こちらが見たところ何故参加してるの?という企業も見受けられました。
高齢者施設専門というわけでもない大手不動産会社とか、明らかに『水素水』のような怪しげな民間療法メーカー代理店とか・・・。
先物取引代理業者が各ブースで最も活気のある呼び込みをしてたのはちょっと面白かったです。笑
今後の100年ライフを考えれば確実に必要不可欠で成長分野なので、もっと出展者が豊富なのかと思っていたのですが、市場はまだそれに気付いていないのか?
実は今が何かアイデアを出してこの分野に参入する絶好のタイミングなのかもしれません。
ネットで見渡せるようなサービスでは個人でこの分野に挑むのが難しいなと最近考えていますが、少しずつ自分のできることを試しているところです。
過去記事でも告知済みですが、こちらのサービス受付中です。
ご自身が使っている保険証、加入している健保組合、使い方に疑問がわいたときや困ったときに是非ご利用ください。
2学期がしんどい。私が。
2学期がスタートしてほぼ2週間経ちました
長男は1学期同様支援級の先生のお迎えで始業式から学校に行っています。
1学期は台風が来たなどで調子を崩すこともありましたが、台風21号の際には都内はあまり影響がなかったこともあり、ギリギリに起きていつも通り出かけていきました。
生活リズムも安定し、喜ばしいことなのですが・・・。
一方、私の方のやる気が出ない
2学期はご存じの通り各学校は行事が目白押しです。
特に長男の学校は運動会も9月末、そして4年生は1泊2日の移動教室もあり、信じられないくらいタイトなスケジュールとなっています。
長男は今のところこれらの行事に参加するかどうか何も言っていません。
不登校の子どもを持つお母さんからは
「直前まで行くか行かないかわからない行事の準備や積立金などをするのは精神的にキツイ」
というようなお話をよく聞きます。
確かに、もしかしたらという期待交じりで準備して、やっぱりダメだった、というのは当の本人もですが、親のモチベーションもかなり消耗するでしょう。
うーん、でもなんかちょっと違うんですよね、私の場合。
もっとシンプルに、
「行事多すぎめんどくさい」
と思っています。多分。
どちらかというと学校が苦手な子どもの思いそのものと似ているかもしれません。
確かにねー、思い出づくりのようなことも(普通の子には)必要だとは思うので、移動教室なんかは悪くないと思います。
私は親や地域にお披露目系の運動会とか学習発表会が邪魔くさいと内心ひそかに思っています。
ああでも言っちゃったよ・・・。
これまで保育園から運動会や生活発表会を見てきて、親子競技一緒にやれて楽しいとか、ちっちゃい子のたどたどしいお遊戯を見てかわいいとか、そういう感情はこんな私ですがちゃんとありました。
ところが小学校に上がるとこの会場の雰囲気が一変します。
とにかく親たちのうちの子(他の子より)がんばれオーラが半端ない。
特に運動会でやたら大声で
「〇〇がんばれぇぇぇぇぇ!!!」
と惜しげもなく我が子を鼓舞しているお母さんが隣にいたりして、すっかり疲れ果てたりしていました。
私も子どもにがんばれという気持ちがないわけではないんですが、周りのやつらに負けんな!みたいな競争心がほぼないので、そういう場にいること自体がしんどいのです。
それ以前に、親たちの場所取り合戦みたいなのも嫌いですしね。
さらに、子どもたちの方を見ても、ちょっとした可愛い失敗も可愛いで済んでいた保育園に比べ、学校の行事は完成度を求めるため子どもたちと先生のピリピリ感がキツイ。
過去の私を振り返っても、特にあんまり得意でもない運動会のピリピリムードは本当に嫌でした。出さされてる感満載でした。
というわけで、2学期なんて移動教室だけにしちゃえよと思っている私ですので、子ども以上に2学期しんどいとなっているのでありました。
万丈のおかげで特オタが真面目に食物アレルギーと向き合ってみる
昨日は何故か特オタクラスタがかぶりついた『ザ!世界仰天ニュース』
その理由は、仮面ライダービルド出演の万丈龍我(仮面ライダークローズ)役の赤楚衛二さんがゲスト出演だったから。
昨日の特集はアレルギーでした。
以前から赤楚さんはインタビューの機会などでいちごやバナナのアレルギーだということを話していましたが、今回の番組にて
「全ての果物に対するアレルギー」
だということを公表しました。
番組ではその後アレルギー検査の結果を公開していましたが、食物についてはタンパク質項目以外は全て反応ありという結果が・・・!
これはアレルギーというものに普段あまり関心のない人から見ると驚愕の数値だったと思います。
というわけで、今回は健保組合関係者のはしくれとして、またこの後書きますが、子どもに食物アレルギーがあったため、その上での実感も交えて治療に関する専門領域には踏み込まない程度に(特に子どもの)食物アレルギーについてのことを書いてみようと思います。
参考資料はこちら
www.fukushihoken.metro.tokyo.jp
よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック
ぜん息予防と書かれていますが、他の反応にも充分対応しています。
ちなみにこの他、アレルギーやぜん息などに関する冊子は東京都福祉保健局から無料で入手できます。
アレルギーに関する固定観念から解放されよう
育て方や意識づけや訓練でどうにかなる問題ではない
我が家は3人子どもがいますが、次男に鶏卵のアレルギーがあり、4歳で解除になりました。
親の遺伝は要因になりえますが、たまに言われる
「おぼっちゃま(お嬢様)育ちだからアレルギーになっちゃう」
というような認識は絶対捨ててもらいたいです。
なにしろ3人育てて、最もおそるおそる育てられるであろう第一子ややたら可愛がられる末っ子の女子がアレルギーにならないのに、真ん中の子がアレルギーになっているのです。
我が身を持ってこの説が覆せます。
アレルギーはもって生まれた体質です。
成長してからの発症になるものもありますが、それももともと本人が持っていた体質です。
また、「気にしすぎ」と思うのも絶対にやめてください。
症状もそれぞれで違い、「食べるとちょっとブツブツが出る」「口の周りが痒くなる」程度から呼吸困難に至るまで様々です。
普段の反応が弱いからといって、気にしすぎと勝手に判断して周りが食べさせたときにいつも通りの反応だとは限らず、その時の体調やその前に他のアレルゲンの蓄積があって代謝しきってないなどの原因でアナフィラキシーに至る例もあるようです。
最近では「ちょっとずつ食べて治す」という治療法(経口免疫療法)の話題が知られるようになりました。
私自身、一般の小児科で次男の血液検査を受けたときにそういった家庭での対応をアドバイスをされましたが、勝手に家庭で実施できるものではありません。
小児科のお医者さんでもアレルギーの専門医でなければ理解に至ってない事例はたくさんあるとのことです。本当に気を付けてください。
経口免疫療法に熟知した専門医の指示のもとで慎重に実施してもアナフィラキシーになる例があり、かなり重篤な症状が出た例もあったとのことです。
牛乳アレルギーに対する急速経口免疫療法後の維持療法中に生じた重篤な有害事象 | 神奈川県立こども医療センター
神奈川県立こども医療センターは小児のアレルギー症例の取り扱いでは第一線ですので、信頼度がかなり高いと言われていますが、こういった事故はあります。
さらに、トンデモとも言われる根拠のない民間療法などにうっかり手を出さないというのは言うまでもありません。
血液検査の結果が絶対ではない
通常のアレルギー検査(アレルゲン特異的IgE等)では抗体濃度によって0~6のクラスで表示されます。ハザードレベル的なイメージです。
赤楚さんの結果では穀物類でクラス2~3程度、果物類でも一部を除きほぼ同等になっていたようですが、ご本人の自覚症状があったのは果物類だったようです。
撮影の合間にキャストやスタッフさんたちとラーメン食べ歩きをしてるくらいだから、小麦などには自覚症状がなかったのでしょうね。
というわけで、クラス2や3あたりだと症状は出たり出なかったりという状態です。
このクラスの結果が出た場合、必要以上に先手を打って完全除去するというより、反応を見て症状が出たときに医師に相談することを頭に入れておきましょう。
体調によって少し反応が出ることがあると思います。
ちなみに私自身も検査したことがありますが、花粉症として症状が出ているスギのクラス5以外はぺったんこという結果が出ました。
ですが、真菌類というところに属するカビに反応して梅雨時のエアコンの除湿モードで咳をしますし、たまに醤油に反応して唇が腫れます。
血液検査ではクラス0なんですよ。
そういうわけで、IgEの範囲外の反応もある(非IgE抗体)ので、アレルギーは奥が深すぎて素人では本当によくわからないというところが本質です。
アナフィラキシーには絶対に気を付けることが大事ですが、体調による弱い反応については上手く付き合っていくということも必要でしょう。
子どもの好き嫌いがアレルギーに繋がっているかも?
これは科学的証拠が発表されているわけではないことを先にお知らせしておいた上で。
上記に書いた次男、卵料理は晴れて食べられるようになりましたが、そのほかにも偏食が激しく、フルーツ類が苦手でほとんど食べません。
大人からすると子どもはフルーツ大好きみたいなイメージがあるのでなんで?と思うのですが、子どもにも必ずその食べ物が嫌いな理由というのがあります。
フルーツで考えられるのはすっぱいから、種っぽさがあるのが嫌、なども想定されますが、もしかしたら子どもの中でそのフルーツを食べたときの身体の違和感を敏感に感じつつもどう表現していいかわからず『嫌い』という言い方になっているかもしれない、ということも言われています。
フルーツに限らず、子どもが嫌がる食べ物を栄養のためだとか我慢を覚えるためだとか言って無理に食べさせるとこういった結果が隠れている可能性があると知ってほしいです。
仮面ライダークローズがアレルギー持ちだと公表した影響
国もアレルギー児へ対応についての啓発に努めた結果、学校や幼稚園・保育園では親からすれば少し過敏かも?と思えるような対応がされるようになりましたが、このくらいしないと根性論で乗り切ろうとする大人がいるからこその対応なのだと思います。
子ども関連の仕事に従事している人にはやっと浸透しつつあることも、それが無縁の世界の人たちはまだまだリテラシー不足でしょう。
下手したら赤楚さんの公表を受け
「アレルギー持ちなんて何か事故があったら面倒だ」
「使いづらいタレントなんじゃないのか」
「わがまま言うんじゃないのか」
のような意識を持たれるリスクは想定したかもしれません。
テレビ業界の決裁権のある層の年代なんて怪しいもんです(←偏見)
でも、アレルギーがあったって好きな仕事にトライできる、ヒーロー(・・・ヒロイン?)になれるということを、自分のアレルギーの影響で悲しい思い、辛い思いをしている幼い子どもたちに見せて、勇気づけてあげられるのは、『万丈龍我』だからこそできるんじゃないかな!と思いました。
ビルド本番中みんながオレンジジュースで乾杯する中ひとり麦茶だったり、桐生戦兎にバナナやるからとなだめられたりと危ういシーンも思い返せば色々ありましたが、赤楚さん1年間お疲れ様でした。
これからもそんな体質と上手に向き合いながら、アナフィラキシーには充分気を付けて、今以上にバッキバキに活躍してほしいです!
3,000字越えた。熱入りすぎ。
経産省と厚労省のベストマッチ事業『健康スコアリングレポート』って何?
※注:ベストマッチは私が言いました・・・サーセン
先日健保組合宛に『健康スコアリングレポート』が届きました。
健保組合加入の各企業にも経営者にリーダーシップの発揮を要請する手紙が添えられて届いています。
企業の健康経営に関する現状の『通信簿』
うちに来た実物は出せないので参考までに・・・
健康スコアリングレポート様式(日本健康会議)※PDFが開きます
http://kenkokaigi.jp/news/n_pdf/pdf_180530_sheet1.pdf
これまで企業は、労働安全衛生法での必須項目に関する健診結果が手元にあればよく、安全衛生部門や人事労務部門の担当者が、健保組合が独自作成するデータの分析結果の説明を受けていればかなりいい方という状況でした。
経営者が直接こういった資料を目にすることはほとんどありませんし、正直興味もないといった場合が多いと思います。
健康スコアリングレポートのデータの母数は健保組合加入者全体ですが、今回の発信が健保組合を管轄する厚生労働省だけでなく経済産業省も連名で経営者宛に発信するという方法を採っているため、これまでよりは直接会社の現状を把握してもらえます。
経営者層は数字でモノを見る人も多いので、漠然と社員の健康が大切!と伝えるより、この悪い数字が後にどんな影響を与えるかということが改善を促すきっかけになることも多いようです。
さらにいえば経産省も絡んでいますよという告知は充分な(悪く言えば)脅し文句になるとは思います。
データの構成について
健保組合の持つのは加入者のレセプト(≒医療費)データと、40歳以上に義務付けられた特定健康診査と特定保健指導のデータです。
これらのデータは以前から暗号化されて定期的に国へ送られていました。
今回のレポートはその蓄積データを利用して、2016年度の健保加入者が全組合または同業種の組合と比較しての健康状態を示したものです。
少し勘違いされている意見なども見かけますが、個人を特定できるような情報は経営者に届きません。
一事業所単位でのデータでさえありません。
あくまで健保組合加入者全体が母数なので、大まかな傾向として示されたデータです。
どの健康状態についてのデータが届いているのか
おおむね生活習慣病に関連する項目です。
健康状況5項目(肥満、血圧、血糖、脂質、肝機能)と生活習慣5項目(喫煙、運動、食事、飲酒、睡眠)についてのスコアが示されています。
使用データでは特定健診(問診含む)のものが多くを占めていて、レセプトデータの内容をベースにした分析(がんの罹患率だとか、メンタル項目など)は示されていません。
どのように利用されていくのか
健保組合と企業の健康管理部門担当者が協働で経営者に現状を把握してもらい、ここから企業ごとの施策を考えていくきっかけとします。
たとえば睡眠状況が平均以下と評価されていたら、労働環境を改善しなければならない、と考えるように促します。
食事に関する項目の評価が低ければ、社員食堂のメニュー改善、そもそもそういう環境がない場合の設備投資などに繋がるようにします。
どのような施策を取るかは企業担当者と健保での協働で取り組み、その中で外注したり、健康経営アドバイザー資格取得者の活用などをしていきます。
個人的に考える問題点
まず、良くも悪くもこのレポートは健保組合単位の大雑把な分析結果です。
地域的に散在している業種ごとの総合健保組合や、様々な業態を扱うグループ企業の場合
「で、うちはどうなの?」
ということになるでしょう。
というか、ほとんどそうだと思います。
結局は、このレポートを話し合いのきっかけにして、他のツールを使って各事業所ごとの分析をしてみないと経営者の心が掴めないかもしれません。
うちの健保は加入者が少ないのでデータ分散が・・・
これはうちのような小規模健保のレアケースなのですが、そういう母数が少ない集団が巨大集団と同じような統計を取るには補正が必要ですが、そこまではされていないようです。そういう意味でもこれは大雑把な分析結果です。
2016年度の特定保健指導実施率はなんと0だったのですが(当然レポート上は叱られてます)、実情はその年度は該当リスト取得が年度末ギリギリだったうえに該当者が少なく、日程調整をしていたら年度を越えてしまった・・・というものです。
加入者の多い健保組合では特定保健指導なんて毎月のように新しいリストが届き実施されているので、それが途切れるなんて考えたこともないでしょう。
ところが全体数が少なければそれもあるのです。また、若い加入者が多い業態の健保組合も、39歳以下の健診結果はデータの範囲ではないので、特定健診や特定保健指導をキーにしたデータを持ってこられても企業の実情と噛み合わないと思われます。
まあ、このレポートも今回が初回です。
これから受け取った側のフィードバックがあって課題も見えてくるでしょう。
動かないよりはよっぽどマシです。
今後に期待していきたいと思います。
先日の健康経営会議2018で登壇された辻一郎氏の著書です。
日本型の健康経営について研究された一冊です。